「示談」の落とし穴

通常、交通事故を引き起こした場合、または事故が引き起こされてしまった場合は、警察を呼ぶ必要があります。その場で検証を行い、個人にとって必要な事故記録等を記録するからです。

しかし、本人たちの希望などによって、それを行わないことがあります。いわば、個人間だけでその事故を処理してしまおうというものです。それが、いわゆる『示談』です。
示談交渉は、たいていがその場で行われ、その場で金銭的なやり取りをすることもあります。確かにこれは、一番ある意味で穏便に済ます方法かもしれません。事故による点数加算もされませんし、責任追及をされることもありません。

しかし、これにはいくつかの落とし穴があります。
まず、慰謝料・賠償に関することです。交通事故の被害を受けた側の場合、被害を与えた側から慰謝料を受ける権利があります。車の修理代金、怪我の治療費、入院費、手術費、仕事から給料を得られなくなった分の補償…それらを受けることが、示談を行ってしまうと難しくなってしまいます。というのも、一度示談を行ってしまうと、それを破棄、または覆すことが非常に難しくなります。書類上で示談の契約を結んだ場合は、特にそれが難しくなる、と言えます。

慰謝料が必要なとき…

私達が想定していることといえば、それが自分に取って何らかの影響を与えることが確実視されていることがほとんどかもしれません。もちろん、自分に関することは、できるだけ物事をうまく運びたくなりますし、危険をできるだけ回避したいと思っています。

しかし悲しいことに、本当はそうしようと思っていても、物事がうまく運ばないということは日常茶飯事であり、私達も相応の『リスク』というものを理解しなければならないことが多くあります。もちろん、そういった場合でも私たちは自分たちのできることを考えていますが、それが『命に関わる』ようなことの場合、いつも以上に深く考えてしまうのは当然のこと、と言えるかもしれません。そうすることによって、命に関わるような事態を回避することができるからです。具体的には、『運転をするとき』がそうかもしれません。

私たちは免許をすでに持っている人であれば基本的な運転の仕方というものを知っています。そしてそれを例外なく実践しています。ただし、それはあくまで基本的な事柄に終始するものであり、個人の運転の安全性そのものを保証しているものではありません。どれだけ私達が『安全である』と思っていても、事故を引き起こしてしまうことがあるからです。事故による直接的な被害もそうですが、それ以外のことも考える必要があります。それが『慰謝料』や『賠償』などです。なぜそれらについて考えることが必要なのでしょうか。

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